猫が脱走!そんなときの正しい探し方を解説

 

猫は基本的に『完全室内飼い』が飼い方のベースです。

しかし、窓を閉め忘れなどのミスや災害などで、猫が外に脱走してしまうことも。猫が家から脱走してしまったら、カラスや交通事故など心配でたまりませんよね。

猫が脱走してしまったら、飼い主はどのような行動をとれば良いのでしょうか?そこで今回は、猫が脱走したときの正しい探し方について、ご紹介します。

猫が脱走したときの探し方

猫が初めて家から脱走した場合は、そんなに遠くまで逃げていないことが多いです。目安としてだいたい3日以内なら、家の近くに隠れている可能性が高いのであわてず慎重に探しましょう。

①家の近くを探す

まずは、猫が隠れられる場所がないか、家の近くから探すのがポイントです。

猫の行動範囲は、大まかに分けると以下の通り。

行動範囲(自宅を中心として)
 室内飼いの猫  半径50~200m
野良猫  半径2km以内

参考文献:https://www.bbc.co.uk/news/science-environment-22567526

オーストラリアのクイーンランド大学の研究によると、脱走した猫の多くは脱走場所近くで見つかっており、完全室内飼いをしていた猫の75%は半径134m以内の地点で見つかっているそうです。(参考サイト:http://www.mdpi.com/2076-2615/8/1/5/htm

特に初めて脱走した猫なら半径50~100m以内で隠れている可能性も考えられるため、この範囲内を重点的に探すと効果的です。

  • 車の下
  • 庭の茂み
  • エアコンの室外機の下
  • 隣の家との間
  • 家の下

猫はこのようなところに隠れていることが多いので、狭いところやもぐりこめる場所を中心に猫目線で探してみてください。

やさしい口調で、できるだけいつものトーンで猫の名前を呼びかけながら探すとより効果的ですよ。

②お腹がすくのを待ってみる

脱走した猫が家からさほど遠くない範囲にいる場合、お腹がすけば家に戻ってくることもあります。家の玄関のなかや窓近くなど、外から見えるようにご飯を置いておきましょう。

ここでのポイントは、そろりそろりとご飯に近づいてきても猫の方を見ないこと。カリカリとご飯を食べだしたら、素早くドアや窓を閉めて出られないようにしましょう。

いつもおやつやご飯を与えている時間には、できるだけ自宅にいるようにして、猫がいつ戻ってきても寂しくないようにしてあげてくださいね。

③普段使っている猫のトイレを外に置いておく

ご飯よりも匂いが届きやすいのが、トイレです。猫の嗅覚は人間の数万倍、とくに自分の匂いには敏感です。

自分の匂いがどこにもない外の世界に出た直後は、猫はパニックになっているので、よほどのことがない限りあまり遠くへ行きません。

そんなときに安心する自分の匂いがすれば、その匂いを辿って猫が出てくる可能性が高くなります。玄関の外や庭に、使用済みのトイレの砂をさっと撒いておきましょう。

④動物愛護センターや保健所、警察や動物病院に連絡

保護された迷子猫が動物愛護センターや保健所に送られている場合もあります。
似たような猫が収容されていないか、確認しておきましょう。

いい加減な対応をされないためにも、できれば電話よりも直接出向いくことをおすすめします。

警察にも連絡をしておくべきです。猫などの動物は法律上『モノ』として扱われるため、『拾得物』として保護した人が警察に届け出ているかもしれません。

また、迷い猫を保護した場合、動物病院に連れていくことも考えられます。付近の動物病院にも連絡しておきましょう。

そのとき、迷子チラシを置かせてもらっても良いかの確認をとっておくと今後もスムーズに行動しやすくなります。

⑤迷子猫のチラシを作成する

「3日以上経っても見つからない」「戻ってこない」なら、迷子猫のチラシを作成しましょう。

日がたつほど猫自身が外の環境に落ち着きだし、範囲を広げて行動するようになるため、猫に合わせて人間も探す範囲を広げる必要があります。

  • 脱走した猫の写真(柄や体型などがわかりやすいように何枚か)
  • 猫の性別と年齢
  • 猫の名前
  • 脱走した日時
  • 飼い主の名前や連絡先
  • 見つけてくれた方へのメッセージ(「お礼します」など)

以上のことを、チラシに記載しておきましょう。ポスターに「お礼します」のひとことがあるだけで、協力的になってくれる人が格段に増えるので、できるだけ記載することをおすすめします。

猫が脱走したときに戻ってくる確率

猫の逸話として、自宅から約300km離れた場所で迷っていた猫が自力で帰ってきた話や、引っ越し先で迷った猫が数カ月後に引越前の家の付近まで戻ってきた話があります。

ですが、実は猫に帰巣本能があるか、まだわかっていません。育てられた環境や個体差によって、帰巣本能があまり育たない猫もいるようです。

猫の帰巣本能を過度に期待するよりも、できるかぎり飼い主が探し出してあげましょう。

猫が脱走しない為に飼い主がすべきこと

猫は『脱走したがり』ともいえるほど、好奇心旺盛な動物です。しかし、室内で育った猫にとって外に安全な場所はありません。

外の危険に巻き込ませないために脱走対策をすることは、飼い主の務めともいえるでしょう。

①玄関を厳重にする

猫がとくに脱走しやすいタイミングは『玄関の隙間』です。来客があったときや玄関で郵便物の対応をしていたときなど、足の間をすり抜けていくので注意しましょう。猫はいつでも外に出られる一瞬を狙っています。

  • 玄関をあけるときには猫をケージにいれる
  • 玄関までに二重ゲートや柵を設置しておく

このような対策を徹底してください。猫はドアノブぐらいならジャンプして開けられるので、ドアで猫の空間を仕切る場合は必ずカギをかけておきましょう。

②窓を厳重にする

『窓』からも脱走するパターンが多いです。カギが開いていれば、少しの隙間から手を突っ込んで窓を開けてしまいます。

  • 網戸にもカギをかけておく
  • ペットディフェンス(猫用の網戸)に張り替える
  • ひっかき防止のスプレーを使う

このとき、網戸の古さもチェックしておきましょう。あまりに古いと、爪でひっかいてボロボロにしたり、頭体当たりをして強引に突き破ったりしますからね。

③脱走したときのペナルティを覚えさせる

猫は『3日で3年の恩を忘れる』といわれますが、恐怖体験や不快感についてはとても高い記憶力を発揮します。

そのため、脱走防止策として『脱走したら自分にとって嫌なことが起こる』ということを猫に覚えさせるのも効果的なんです。

ただし、この場合の『嫌なこと』は、叩くなど飼い主が直接的な体罰ではありません。体罰をしてしまうと、猫と飼い主の信頼関係を壊す可能性があるのでやめてくださいね。

おすすめの叱り方は、霧吹きや水鉄砲などで猫に水を吹きかけるという方法です。猫は水が苦手な生き物なので、水をふきかけるという方法は猫にとって立派なペナルティになります。

ポイントは、捕獲後すぐに行うこと。

翌日に先延ばしすると、猫に脱走したときのペナルティだと覚えてさせることができませんからね。

脱走して汚れているからと飼い主がシャンプーするのも、猫にとってはペナルティの1つとなります。『○○は嫌だから脱走しないでおこう』と猫に覚えさせられたら大成功です。

まとめ

猫が脱走したときは、家の周辺に隠れている可能性が高い3日間が勝負です。いつも通りのトーンで名前を呼びながら、自宅から半径200m以内を探してみてください。

  • 外が大好き
  • 好奇心が強い
  • 発情期をむかえたオス猫
  • もともと野良猫だった

とくに、このような猫は脱走しやすい傾向にあるので、日頃から外に対して興味が強そうな猫には十分注意してきましょう。

大切な猫が脱走してしまったら、あわてず、猫の気持ちになって根気よく探すことが大切です。

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