「もしも、外で猫を保護した場合どうすればいいんだろう」と1度は考えたことありませんか?
子猫が草むらに捨てられている、野良の成猫が道端で衰弱している、など。こんなとき、見て見ぬふりなんてできないですよね。
「助けたい」一心で思わず保護してしまったら、どうすれば良いのでしょうか。そこで、今回は保護した猫の正しい対処法について、ご紹介します。
猫を保護したらすべきこと
子猫や危険な状態の猫を「助けてあげたい」と保護したとき、すべきことがいくつかあります。保護した猫を生かすも殺すも、保護した人の行動で決まってしまうのです。
実際に保護したらどのような行動をとるべきなのか、みていきましょう。
保護すべき猫を見つけた場合
保護すべき猫を見つけた場合、子猫と成猫とでは対処法がすこし違います。
①子猫の場合
本当に捨てられている子猫なのか確認する必要があります。段ボール箱に捨てられているならまだしも、草むらなどに1匹でいる場合はもしかしたら母猫が子猫からたまたま離れていただけかもしれません。
子猫を草むらなどで見かけたときは、まずは注意深くまわりの状況を確認してみましょう。そして母猫がむかえに来そうになければ、保護して体を真っ先にあたためてあげてください。
子猫は体が冷えるととても危険なので、たとえ夏場でも保温する必要があります。とくに生まれて間もない子猫の場合は、多少よごれていても洗ってはいけません。
よほどの場合は、温かい濡れタオルで拭く程度にしておきましょう。あたため方は、やけどしないように十分注意しながら、湯たんぽやカイロなどをタオルで包んで子猫に直接あたらないようにしてあたためる方法がおすすめです。
ご飯は、生まれて2カ月以内と考えられる子猫には猫用のミルクをスポイトなどですこしずつ与えてあげてあげましょう。
それ以上の年齢ならウェットフードやふやかしたドライフード与えます。必ず猫用のものを与えてくださいね。
また、子猫の場合、自力で排せつできません。親猫の代わりに人間が排せつをサポートしてあげなくてはなりません。
1日に数回、食事の前後のタイミングにぬるま湯で濡らしたガーゼで子猫のお尻をポンポンとかるく押して刺激を与えてあげましょう。
②成猫の場合
成猫の場合は、まずは近くのポスターやSNSなどで『迷い猫』の情報が出ていないか確認しましょう。
成猫の場合も、衰弱しているようなら体を冷やすのは危険なので、相当よごれた状態で保護したとき以外はすぐにお風呂に入れることは控えてください。
猫は基本的に体が濡れることをいやがるので、人に慣れていない猫をお風呂に入れるとかなり抵抗するかもしれません。
うまく乾かせずに風邪をひくこと可能性もあるので、どうしてもよごれを落としたいならお湯で絞ったタオルなどで拭いてあげましょう。
あとは保温のためにタオルなどでくるんで、猫がすっぽり入る大きさの箱を用意して安心させてあげます。ご飯はキャットフードを上げますが、ドライフードが食べづらそうなら少しふやかしたりして、猫に栄養を与えてあげてください。
猫を保護した後にすべきこと
猫を保護するとは、『猫を自宅に連れて帰って終わり』という訳ではありません。無事に猫を保護したなら、次にすべきことがあります。
①動物病院に連れていく
猫を保護した場合、必ず動物病院に連れていきましょう。とくに衰弱している野良猫の場合は一刻を争うため、自宅に戻らずにそのまま連れて行った方が良いです。
保護したけれど飼わない場合も、飼い主を探すためには健康状態を知っておく必要があります
まずは動物病院で、健康状態やウイルス感染の有無などをきちんと調べてもらってください。
必要な費用は以下の通りです。
- 予防接種 4,000~6,000円
- ノミダニの駆除 2,000円
- 血液・便検査等 5,000~10,000円
- 初診料 1,000~3,000円
動物病院や検査のコースごとに値段は異なりますが、だいたいこれぐらいかかると考えておきましょう。
また、保護したときに見た目が健康そうでも、先住猫などに近づけてはいけません。外で生活している猫は衛生のよくない場所で生活しているため、ノミやダニ、ウイルスなどに感染している可能性があります。
感染症の場合は人間にうつる可能性もあるので、扱いは慎重に行ってください。
②『野良猫』か『飼い猫』をチェック
健康状態を知るためにも動物病院に連れていくことはもちろんですが、保護した猫が野良猫なのかのチェックも忘れてはいけません。
『飼い猫』である場合、飼い主が探している場合が考えられます。とくに、アメリカンショートヘアーやマンチカン、スコティッシュフォールド、いかにも血統がよさそうな成猫の場合は『飼い猫』の可能性があります。
- 首輪、迷い札のチェック
- 最寄りの警察署や保健所に問い合わす
- マイクロチップのチェック
チェック方法は3つあり、なかでも簡単に見分けられるのは首輪の有無です。まずは猫の首元をチェックしてみてください。
それでもわからない場合は、保護した付近の警察署や保健所、動物管理事務所に迷い猫の届けが出ていないか確認しましょう。
ほかにも、動物病院でマイクロチップの有無や情報を確認してもらう方法があります。ただし、マイクロチップを確認するマイクロチップリーダーはどこの動物病院にも常備しているわけではないので、事前に問い合わせておきましょう。
保護した猫が迷い猫だった場合は『迷い猫を保護した時の対処法を解説!飼い主さんの見つけ方』の記事が参考になりそうです。
保護した猫が飼えないとき
猫を保護しても飼わない場合は、その猫のこれからの生活環境を整えてあげる必要があります。このことも、猫を保護した人の責任ですよ。
「拾ってあげたから」「動物病院で検査してあげたから」終わりではなく、猫が幸せに生きられるような生活の確保まできちんと面倒をみてあげる必要があるのです。
①猫の保護団体に連絡
保健所ではある一定の期間内にもらい手が見つからなかった場合は、殺処分を行う可能性があります。そのため、保護した猫をすぐに保健所に連絡するという方法はあまりおすすめしません。
とくに保護した猫が子猫だった場合は、世話が大変なので最優先で処分されてしまいます。そんな悲惨なことがおこらないためにも、できるだけ動物保護団体や、地域のボランティア団体を調べて連絡してみましょう。
②動物病院に相談
地元の保護団体がわからない場合は、動物病院に相談してみるのも1つの方法です。ただし、動物病院はあくまで治療する場所であり、保護した動物を飼育する場所ではありません。
そのため、里親が見るかるまでは誰かが世話をする必要があります。すぐ見つかるとも限らないので、猫用ケージやキャットフード、トイレなど猫の世話に必要な最低限の用意をしておいた方が良いでしょう。
猫を飼わない場合は里親へ出そう!
里親を探す場合、友人知人から探すのがベストです。どんな人が里親になるかがわかっている方が、安心できますよね。
しかし、見つからない場合はポスターや、里親募集の掲示板、TwitterやFacebookなどのSNSなどインターネットを利用しましょう。里親募集をしているNPO法人が譲渡会を開催している場合もあります。
里親探しのポスターやネットを利用するときに大切なポイントは、いかにその猫を可愛く写真が撮れるかということです。
盛る必要はありませんが、保護した猫の可愛い魅力を存分に引き出すような写真を撮ってあげましょう。
また、里親が見つかるまで、トイレのしつけや人慣れするようにたくさん接してあげるのもおすすめです。
- 保護した猫の写真
- 野良猫の性別
- 毛の色
- 推定年齢
- 健康状態
- ウイルス検査や予防接種の有無
- 里親へのお願い
- 保護した場所
これらの特徴を、里親募集ではきちんと記載しておきましょう。
ただ、悲しいことに、転売や動物虐待などさまざまな目的のために里親と称して近づいてくる里親詐欺なども横行しています。
里親譲渡に関するペットトラブルを避けるためにも、里親の人間性や身分確認、飼育環境などを確認する必要があります。信頼できる相手に譲渡するように、しっかり見極めてくださいね。
猫の里親探しは『里親探しのための完全マニュアル~野良猫を保護した時の探し方や注意点など~』の記事が参考になりそうです。
まとめ
猫を保護するということは、『猫の命を救う』ということです。けれども、その行為には必ず責任が伴うということも覚えておいてください。
保護した場合は、飼う飼わない関係なく、必ず動物病院に連れていきましょう。
猫も生きています。たとえ飼えなくても、保護した猫が幸せな次の暮らしが始まるように最後までお手伝いをしてあげてくださいね。
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